カデンツを理解するための和声法基礎
その2 三和音に挑戦!

和声法を勉強するのは難しい!
と聞くかもしれませんが、合唱における必要最小限な知識など微々たるものです。

今回は和音の基礎、三和音に挑戦してみましょう。

■和音の中のそれぞれの音の読み方

一番下の音を根音
その上を第三音
またその上を第五音
またまたその上を第七音・・・
と呼びます。

これは和音の中の音を指すときに使います。
例えばこれはハ長調のと読む(分からなくていいです!)のですが、
そのなかのシの音を言うときは
の第三音」
って感じで表します。

これは是非覚えて下さい。



■三和音のドレミファソラシド
前回のドレミファソラシドの音の上に2個音がくっついていますね。
ドならドミソ
レならレファラ
ミならミソシ・・・
そう、これが和音、三和音です!
多くの譜面ではこのような和音で音楽が構成されています。

「なにいってんだよ、楽譜には『ソドミ』っていう和音だってあったぞ!」
っていう経験はあると思います。
これは「ドミソ」のソがオクターブ下がることで「ソドミ」になったということで、厳密にはドミソなのです。
(これは「転回」といって、後ほどやります)


さて、和音の中のそれぞれの音(ドミソのド、ミ、ソ)について勉強しましょう。これは上の根音、第三音、第五音についての補足となります。



○根音、第三音、第五音の役割


根音:和音の性格を決める上で最も重要な音
第三音:和音に明暗の表情を加える音
第五音
:和音を補助する音

という役割になります。
なーんだ、って思うことなかれ。
これは意外と重要なんですよ。
実際に楽譜の中で和音が省略されていたり(ドとミの音だけ)、重複していたり(テナーとソプが同じ音歌う)といったことが楽譜では
よくあることなのですが、これはしっかりこのようなルール(役割)に基づいて決まっている事が多いです。

省略は第五音が多い!
 →だって和音を補助する音なんだもん
重複は根音が多い(たまに第五音)!
 →だって和声の性格を決める上で重要なんだもん。逆に和音の表情を加える第三音が重複したら、くどくなるよね。

みたいな感じなのです!
このようなまとめは別項目、「合唱における和声法から学べること」にて紹介したいと思います。
今回は、根音、第三音、第五音のそれぞれの役割をぼやーっと意識する程度の理解でOKです。


・楽譜中の数字や文字の解説

さて、脱線してしまいましたが、上の絵に戻りましょう。
まず、1,2、3・・・というのは前回と同じ、その調における番号、「度数」です。
だからこの場合の「ソシレ」の和音を指すときは「X」ってことになりますね。



その番号の左に「C dur」って表記がありますね。
これは「調」の呼び方です。
調についてはちょっとややこしいことになるので、また次回やりたいと思います。
ちなみにこれは「C」はツェー、つまりド。
durは「長調」という意味なので「ドから始まる長調」ということになります。
つまり、ドレミファソラシドことです。
なので、今のところは放っておきましょう!

読み方は以下のとおりです。あとで詳しくやりますよー。

ドイツ音名 C D E F G A H
読み方 ツェー デー エー エフ ゲー アー ハー

長調 dur(ドゥアー)
短調 moll(モール)



○三和音における機能

TやD、S・・・何か見覚えがありますね!
そうそう、機能ですよ。
もちろん和音においても重要な役割を持った和音があります!
では見ていきましょう。

Tonic tried (T) 主和音 調を代表する和音。
Subdominant tried (S) 下属和音 和音に広がりを持たせる音(発展)
Dominant tried (D) 属和音 主和音に向かおうとする強い音(緊張)


T(ドミソ)は調(ドレミファソラシド)を代表する和音ですよね。だってド(Tonic、代表であり起音)を含んでいるのですから!
S(ファラド)は根音にファ(下属音、主音と属音の機能を補う音)を持っているので主和音と属和音を補って、和音に広がりを持たせる和音となります。
D(ソシレ)は根音にソ(属音、主音の性格を決める音)、さらに第三音にシ(導音、主音を導く強い音)を持っているので、ドを含む主和音に向かう強い
性格を持っていることがわかります。

このTとSとDを組み合わせて曲の終わりを簡単に表したものが、
これから勉強するカデンツなのです!!!!!!


今までのことで和声法の基礎の基礎は終わりです。
次でカデンツの仕組みや練習法などを学びましょう!



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