■発声練習のやり方、組み立て方
私はいくつかの合唱団に所属していますが、
練習側がうまく発声練習を組み立てられない合唱団を見ます。
今回は発声練習の組み立てについて、私の思う「練習をする側からの組み立て方」を紹介します。
1.発声練習の意義
・喉の調子の確認
・発声技術向上
・ウォーミングアップ
2.発声練習でしてはいけないこと
・序盤からの無理な発声
例:発声練習の最初の方で跳躍や高音域など無理をする発声
・偏りすぎた発声練習
→ただ「やりたいから」で安易な発声練習をしない。事前にしっかり組み立てること。
例:高音域ばかり、発音ばかりの発声練習等
3.発声練習の組み立て
以上のことを注意して発声練習を組み立てる。
・大まかな練習項目を作る(声出し、順次進行、発音、跳躍etc)
・それぞれの練習法について項目別にまとめる。
・項目内の各練習法について優先順位をつける(これは確実にやる、これとこれは日によって、等)
・各練習法について、「この練習法はこういった所に気を付ける!」といったことを共有する。
例:(実際はもっとたくさんの発声法の種類があります。あくまでも例なので数はあまり気にしないで下さい)
順序 | 項目 | 種類 |
1 | 声出し | ☆ハミング(同音) ☆ハミングから「A」(同音) △(調子が悪そうなら)ハミングをもう一度 |
2 | 順次進行 | ☆ドレミレドで「MA」(上昇) ☆ドシラシドで「MA」(下降) ○ソファミレドで「MA」(上昇) |
3 | 発音 | ☆同音で「アオウオア」 ○同音で「アエイエアオウオア」 △(調子が悪そうなら)同音で子音+母音の発声練習(なめらかに、かつはっきりと発音させる) |
4 | 跳躍 | ☆ドミソミドで「アオウオア」 ○ドソドで「A-U-A」(上昇) △(調子がよさそうなら)ドソド(上)ソドで「アオウオア」 |
5 | 高声低声 ボイトレ要素 |
○hiCまで「ドレミファソファミレド」で上昇。 ※低声は明るい音色でオクターブ下を歌う。 ○lowEまで「ドシラシド」で下降。 ※高声は暗い・重い音色でオクターブ上を歌う。 →これで音域、音色の練習ができる |
6 | カデンツ | ☆長調のカデンツ △(調子が良さそうなら)短調のカデンツ |
☆:確実にやる ○:日によって変える △:調子によって行う |
4.カデンツについて
・指揮者は本気で指揮をする。カデンツは【曲の終止】であることをしっかり団員に意識させ、実際に指揮は曲の終止を示す。
→ただ和音を作る練習だったらもっと効果的な練習がたくさんあります。
・長調、短調による音色の違いを感じさせる。また、実際に声に音色を出させる。
・なるべく和音の根音、第三音、第五音の役割を理解して歌わせる。
・歌詞をつけると、団員に曲の終止の雰囲気を伝えやすい。
例:「Kyrie eleison」。